【完全版】貯金ができる節約、できない節約…固定費と流動費で考えよう!
節約生活にもっとも重要なのは、“知恵を使う”ことです。
手当たり次第に出費を引き締めようとしても、無理が出たり、ストレスがたまってしまったり、なかなか上手くいきません。
ですから、節約は“考えて行う”ことが重要です。
節約の考え方には、経営学の基礎が、意外なほど応用できます。
経営とは、まさに「会社のお金のやりくり」ですから、「家計のお金のやりくり」にも、通じるものがあるんですね。
今回はそうした基礎的な経営学の一つ、「固定費と流動費」を、私たちの節約生活に応用してみましょう。
この内容を理解して実践できると、
「節約を毎日コツコツ頑張っているのに、ちっともラクにならない」
「お財布を引き締めているのに、貯金が全然できない」
「節約生活にストレスばかりで、もうツライ」
といった悩みを、一気に解決できますよ!
少し難しい内容もありますが、頑張ってお読みくださいね!
出費の種類は2つある!
まず、家計簿を見てみましょう。
参考に、30代の夫婦二人ぐらし(妻:専業主婦、夫:サラリーマン)の一ヶ月の支出例を掲載します。
・食費 30,000円
・日用品費 10,000円
・家賃 82,000円
・保険料 20,000円
・水道代 3,000円
・電気代 6,500円
・ガス代 8,000円
・電話代 16,000円
・被服代 3,000円
・医療費 0円
・趣味代 5,000円
合計で、183,500円となりました。
どの部分の支出が多い、少ない…という話もありますが、今回は、この支出の“種類”に注目したいと思います。
支出には、「固定費」と「流動費」の2つの種類がある
毎期かならず、一定額が発生する支出です。 家計の場合、「毎月必ず必要なお金」と考えます。
時期やタイミングによって、金額が異なる支出です。
それでは、家計の中で、どれが固定費に当たり、どれが流動費にあたるのか、まずは考えてみましょう。
家賃、保険料、水道代、電気代、ガス代、電話代
食費、日用品費、被服代、趣味代、(医療費)
医療費に関しては、家庭によって分かれる部分です。
「家族がみんな元気で、めったに医者にかからない」という場合、流動費にあたります。
一方、長期の入院・療養・治療中のご家族がいる場合、毎月ある程度のお金が出ていきますから、固定費と考えたほうが良いでしょう。
食費もここでは「流動費」にあてていますが、日常的な食料品を固定費、外食を流動費と、分類して捉えても良いでしょう。
さて、固定費と流動費を、家計にあてはめてみました。
ここまでの理解は、大丈夫でしょうか?
ここから先が、節約の実践編になります。
固定費と流動費では、節約の効果と難易度が違う
実は、固定費と流動費は、節約のもたらす効果と、節約の難しさに大きな違いがあります。
固定費 … 節約が難しいが、少しでも削れれば効果は大きい
固定費は、「毎月かならず、一定額が掛かるもの」です。
ですから、固定費の削減は、月々の出費の“自動的な削減”につながります。
たとえば、家賃や電話代が1,000円だけ安くなれば、何もしなくても毎月1,000円、年間12,000円の節約になりますよね。
その反面、固定費はほとんどが契約で決まっているため、流動費に比べて削減しにくい…という特徴もあります。
流動費 … 節約しやすいが、効果もあまり大きくない
流動費は、時期やタイミングによって出費額が異なります。
たとえば、被服代で考えてみましょう。
季節の変わり目になると、どうしても被服代は必要になりますよね。季節の洋服を、ある程度は揃えないといけないためです。
6月に夏服を買い揃えておけば、7月、8月、9月は被服費を節約することも、難しくありません。
ですが、10月(秋)になれば、やはり秋服を買う必要があるため、どうしても出費が必要になります。
このように、流動費は削ろうと思えば削れても、必要な時はどうしても必要になってしまうため、“節約しやすいが、効果もあまり大きくない”んです。
また、流動費は「臨時出費」の性質も備えているので、そもそも節約に向いていないとも言えます。
固定費を徹底的に節約して、流動費は我慢しない!
いかがでしょうか。
同じ家計簿の項目でも、経営学の「固定費と流動費」の視点で見れば、性質がまったく違うのがわかりますね。
あなたの節約は、効果の薄い「流動費」の節約になっていませんか?
たまの贅沢も我慢して、ストレスを溜めながらコツコツ貯金したお金が、避けられない臨時出費で一気に飛んでしまう…。
そんな“経営”を行っていないでしょうか?
それよりも、固定費を削って、流動費はケチケチしないほうが、やりくりがラクになります。
たとえば、月々の固定費…家賃、電話代、光熱水道費…を、1万円削れたとしましょう。
毎月1万円の余裕ができるので、こんな“やりくり”も可能です。
4月 | 新年度の準備費用(流動費)で3万円不足する。キャッシングで借り入れる | -3万円 |
5月 | 固定費削減で浮いた1万円を返済にあてる | -2万円 |
6月 | 同じく1万円返済 | -1万円 |
7月 | 同じく1万円返済 | 借金完済! |
8月 | 固定費削減で浮いた1万円が貯金できる | +1万円 |
9月 | +1万円ずつ余裕ができていく。5か月で5万円、10か月で10万円。 |
このように、固定費が節約できれば、臨時出費をキャッシングでまかない、無理なく返済することも、現実的に可能になります。
実際は、もっと余裕を持った計画…毎月浮いたお金の半分ぐらいで、無理なく返済していけるような返済計画…のほうが安心ですが、原理としては変わりません。
流動費の節約は、一見やりやすいように見えますが、効果が薄く、ちょっとした臨時出費で台無しになってしまいます。
一方、固定費を節約すれば、“何もしなくても毎月の出費が減る”ので効果が大きくなります。貯金もしやすくなり、キャッシングやカードローンも利用しやすくなります。
家計の節約は…ビジネスの経営と同じく…固定費を節約する!
この原理原則を頭に入れて、あなたの節約方法を見直してみて下さいね!