家賃を滞納したら

去年の春から一人暮らしをはじめた、18歳の学生です。
仕送りとバイトでなんとか暮らしているんですが、いろいろあって、気が付いたらお金が尽きてしまい…。
先月、家賃を滞納してしまいました。

すぐに何とかしないとヤバいですよね。
でも、今も手元にお金がなくて、全然払えません。

このままだと、追い出されれるんでしょうか？

私も最初はそうだったので、お気持ちがよくわかります。
なので、しっかりとご説明させていただきますね。

まず、質問者様にアドバイスです。
すぐに連絡しましょう。

連絡先は、契約内容によって異なります。

(1)家賃保証会社を通している場合…家賃保証会社
(2)家賃保証会社を通していない場合 … 管理会社
(3)大家さんと直接契約の場合 …大家さん

今はほとんど、(1)のパターンだと思います。
家賃保証会社と管理会社は違う会社なので、注意してくださいね。
わからなければ、とにかく契約書に書いてある連絡先に、電話をしましょう。

「追い出されるのでは」と心配されているようですが、追い出されることは、通常まずありえません。
これについて、今から詳しく説明していきます。

 

家賃を滞納しても、追い出すのは違法行為になる！

家賃を滞納されている場合でも、今すぐ出ていけ！と脅して追い出すのは、「自力救済」という違法行為です。

自力救済とは、裁判所の判断を通さずに、自分で“揉め事”を解決しようとする行為です。

揉め事をみんなが自分で解決してしまうと、世の中はどうなるでしょうか？
裁判も行われず、警察も機能せず…司法の力が失われてしまうんです。
そうなると、世の中の秩序や平和を、保つことができません。弱肉強食の世界になってしまいます。

ですから、「自力救済」は、絶対にやってはいけない、大切な“法理”(法の原則)なんですよ。

もちろん、家賃滞納の問題も同じです。
いくら家賃を滞納されているから…といっても、その問題を解決するためには、裁判所の判断を仰がなければいけません。
それを行わずに追い出しを行うと、「違法な自力救済」となります。

最高裁判所の判断では、次のようになっています。

「法律に定める手続によったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許される」(最高裁昭和40年12月7日判決)

また、追い出し行為のほか、張り紙をしたり、大人数で押しかけたり、鍵を交換したり…。いずれも、実行するだけでなく、「そうするぞ！」と脅しをかけるだけでも、違法行為になります。

 

家賃滞納は、個人信用情報にキズがつく場合もある！

もちろん、「追い出されないから」といって家賃を払わずに居座るのも、やはり良くないことです。
特に、家賃保証会社を通している場合、個人信用情報にキズがつく恐れがあります。

個人信用情報とは、お金を借りる時の、審査に使われるデータです。
ここにキズがついてしまうと、将来、家や車を買う時に、ローンが組めない…という事態にもなりかねません。
クレジットカードを作ったり、キャッシングでお金を借りるのにも、支障が出る場合があります。

信販系の家賃保証会社の場合、金融機関と同様に、個人信用情報機関とデータを共有しています。
ですから、お金の貸し借りではなく、家賃保証であっても、滞納すると信用情報にキズがついてしまうんですよ。

 

どうすればいい？信用情報を守るために

個人信用情報を守るためにも、これからの毎日を気持ち良く過ごすためにも、滞納した家賃は早めに支払いましょう。

質問者様は、今、手元にお金がない…とのこと。
ご実家のご家族に、支援を求めてはいかがでしょうか？

事情があってそれも難しい場合、キャッシングを使う方法もあります。

今からキャッシングで家賃分を借り、すぐに支払います。
そのあと(一ヶ月後、または35日後)、キャッシングで借りたお金を返済します。

キャッシングを利用しても、きちんと期日までに返済すれば、信用情報に余計なキズはつきません。
むしろ「きちんと返済した」という実績ができます。
学生さん、フリーターでも、今のキャッシングは無理なく利用できますよ！

長くなってしまったので、最後にポイントをまとめますね。

… 追い出し行為は、違法な自力救済にあたるため。

落ち着いて、冷静に対処すれば大丈夫です。
まずは、お部屋の契約書に書いてある連絡先に、電話してみましょう。