お金ってなに?あなたの財布に入っているもの~キャッシング千夜一夜
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「お金がない…」「お金持ちになりたい…」。
「生活費が足りない…」「食費が…」「家賃が…」。
そんな風に、日々わたしたちの頭を悩ませてくれる“お金”という存在。
無い人も持っている人も、それなりに悩まされるものだと思います。
ですが、そもそも「お金」って何でしょうか?
私たちの財布の中に入ってる、諭吉さんや樋口さんが描かれた紙や、丸い金属のカタマリ…穴が開いてたり、空いて無かったりするソレ…って、一体ナニなんでしょう?
そんなお話を、おとぎ話にしてみました!
お金ってなに?その誕生秘話を「おとぎ話」にしてみた
昔々、まだ人々が「お金」を使わず、物々交換で暮らしていたころのお話です。山あいの小さな村に、一人のニートがいました。
「働いたら負けだと思う」と言い張り、農作業もせず、一日中ぶらぶらしている若者…。
そんなニートに、村人たちは困り果てていました。何せこのニート、働かないのに、余計なことばかりして、厄介事だけは増やしてくれるのです。
「あいつはどうしようもない。せめて大人しくしていてくれれば…。」
「まあ、今日は大丈夫だろう。山奥に行くと言ってたから。」
「そのまま遭難してくれりゃ良いんだけどな…」
と、村人たちがボヤいているところに、ニートが駆け寄ってきました。
「おーい、みんな、見てくれよ!!すごいものを見つけたんだ!」
うんざり顔の村人たいに、ニートが自信満々で見せつけたのは、キラキラと金色に光る石ころです。
「お前、またどうしようもない物を…。」
「確かにキレイだけど、そんなもんじゃ腹はふくれないよ。」
村人たちはそう言うと、ニートを無視して、農作業に戻っていきました。
「やれやれ…。あいつらは分かっちゃいないや。」ニートは一人でつぶやきます。
「今まで散々遊んできたけど、こんなにキレイな石は見たことが無い。きっと価値があるものだぞ。山奥の谷にたくさんころがっていたし、今のうちにとっておこう。」
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そんなある日、小さな村に、大きなニュースが舞い込んできました。なんと、国のお姫様が、この村を見に来るというのです。
「この村は、畑以外になんにもないぞ…。どうやって、おもてなししたらいいんだ…」
村人たちは困り果ててしまいます。いくら悩んでも、良い方法は思い浮かびません。
結局なんの準備もできないまま、お姫様が村にやってきてしまいました。
村の様子を見たお姫様は、たいそうご機嫌ななめです。
「なんじゃ、この村は…もてなしの一つも無いのか。せっかくやって来たというのに…。」
お姫様を怒らせてしまっては大変です。村人たちは真っ青になりました。
そんな中、お姫様の前に一人の男が歩み出ます。あのニートです。
「お待ちください、お姫様。」
ニートは自信たっぷりに、懐から金色の石を取り出しました。
「ささやかなものですが、これをお贈りします。」
きれいな金色の輝きに、お姫様は大喜び。
「これはこれは、たいそう美しいではないか!このようなものがあったとは…。素晴らしい、褒めてつかわす!」
お姫様はすっかりご機嫌を良くすると、村人たちにたくさんの褒美を与えて帰っていきました。
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「お姫様を喜ばせた、金色の石」の噂は、あっという間に広まりました。大勢の人が、金色の石を求めて、小さな村に訪れます。
「この織物と金色の石を交換してくれ!」
「農作業を手伝うから、一つだけでいい、金色の石を譲ってくれないか?」
金色の石をとっておいたニートは、あっという間に人気者に。自分は何もしなくても、金色の石を渡すだけで、仕事をしてくれる人も、食べ物や服をくれる人も次々と現れます。
そして、金色の石をもらった人は、またそれを別のものと交換し…。
やがて人々は、「物と物」の交換をやめて、「金色の石」と「物」を交換するようになりました。
何にでも交換できる金色の石…。それをたくさん持っているニートは、相変わらず働いていないのに、誰からもニートと呼ばれることは無くなっていましたとさ。
「価値がないもの」が、「価値をあらわす物」になった!
さて、ここで登場した「キラキラ光る金色の石」…。お気づきの通り、これが「お金」です。
ここでもう一度、物語を振り返ってみましょう。ニートが金色の石を見つけて、村人たちに見せた時、村人たちは何の価値も見出しませんでした。
ところが、その金色の石がお姫様に喜ばれ、多くの人が欲しがるようになり…。いつの間にか、「価値」を持つようになったんです。
そして、その「価値」を多くの人が認めて、さまざまなものと交換できるようになりました。食べ物、衣服、労務作業…。
こうして、「腹のたしにもならない」金色の石が、「お金」になったわけです。
実際には、この物語のように「お姫様に喜ばれて…」なんてハッキリした理由は、無かったのではないかと思います。
ただ、「黄金」や「銀」などの貴金属を、多くの人が欲しがり、あらゆる「物々交換」で使えるようになったから…というのが、お金の正体だと言われています。
ちなみに、「お金=貴金属」というのは、実は現在もあまり変わっていません。「硬貨」がまさにそれです。
では紙幣はどうなるか…というと、これは本来、「○○円分の貴金属(ゴールド)を持っていますよ」という証明書だったんです。これを「金本位制」と言います。
金本位制の当時は、紙幣を銀行に持って行けば、本物の「金」と交換することができました。日本でも、1931年まで金本位制は続いていたんですよ!
「価値がある」と「みんなが思っているから」お金になる
それでは、結論に入りましょう。お金とはいったい何なのか…。
その正体をズバリ言えば、「みんなが“価値がある”と思っているから、価値を持っているもの」です。
そう、「思っているから」だけなんです。
ですから例えば、ある時みんなが一斉に、「こんなの、別に価値とか無いんじゃない?」と思ってしまったら、とたんにお金の価値はなくなります。
思い込みひとつで価値が変わる…そう考えると、お金ってけっこう、曖昧な存在なのかもしれませんね。